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子どもの脳力を伸ばすコーチング術

「ママ!僕のどこが、そんなにすごいの?」【Vol.1】

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エピソード1
ある習い事教室での母親と子どもの会話。
母親は、子どものやることなすことをほめまくっています。
「○○ちゃん、すごいね。えらいね。」
子どもも、一応うれしそうにしています。
ここで、子どもならではの一撃。
「ママ。僕のどこが、そんなにすごいの?」
母親の表情は、一変。「○○ちゃんの、どこがすごいって、ねぇ、あれよあれよ」と、しどろもどろ・・・。
子どもは、その答えを予想していたのか、していないのか、不敵な笑みを浮かべています。

 お子さんをお持ちの方なら、多少なりともこれに近いが経験は、おありではないでしょうか。このエピソードは、なにも大人と子どもの関係に限った事ではありません。大人社会でもよくあることです。声は大きいけれど、心がこもっていない。他人の言葉を借りてきているようでマニュアルっぽく感じる。ありませんか?言葉は、言霊(ことだま)と言われます。大人だろうが子どもだろうが関係なく、心がこもっていないと、そのように伝わってしまいます。
 今号から連載スタートする「子どもの脳力を伸ばすコーチング術」と題したコラムでは、コーチング(※1)の技術を使って、子どもの感性や創造力を伸ばす方法について、様々なエピソードをまじえてお伝えしていきます。

目の前で子どもが行動している「今」を言葉にする

 「子どもは、ほめて伸ばす」というタイトルは、子育て本によく登場しますが、ここだけを読み取ってしまうと、今回のエピソードのような失敗をしてしまう可能性があります。「すごい」も「えらい」にも「何が?」があるはずです。エピソードに登場した母親も、子どもの行動を見ていなかったわけではありません。子どもの行動の「すごい」と思ったことを言語化して、頭の中にしまっておくことをしていなかっただけ。言語化というと難しく感じるかもしれませんが、「すごい」「えらい」と言う前に、「何が?」と自分自身に問いかけてみてください。過去の出来事を思い出して言語化することは、記憶もあいまいでハードルは高いのですが、今回は、あなたの目の前で子どもが行動している「今」を言語化するのですから。

「ママが、○○ちゃんのどこがすごいと思ったのか、わかる?」

 たとえば、子どもが絵を描いている時ならば、「まっすぐな線が描けている」「色づかいがキレイ」「本物のバナナみたい」など、感じたことを言葉にしてみましょう。自分自身の幼少の頃を思い出してみてください。比較してみると、ほとんどの方が、目の前の子どもの能力の高さに気づくと思います。そして、「ママが、○○ちゃんの頃は、こんなにキレイに描けなかったなぁ」と一言。子どもにとって最も身近な大人である親に、少し近付けたと子どもは感じるはずです。
 エピソード1の子どものように「ママ。僕のどこが、そんなにすごいの?」と言われたら、一呼吸おいてから、こんな切り返しも。「ママが、○○ちゃんのどこがすごいと思ったのか、わかる?」と質問に対して質問で返してみましょう。もちろん、ママは答えを持っているのですが、あえて話さず、子どもに考えさせる。人がどんなことを感じているのかを考えさせ、そして言葉にして話をさせることは、子どもの感性や創造力を伸ばす基礎となっていきます。
 基礎部分が大きければ大きいほど、高い山を築くことができますので、次号以降も子どもの脳力の基礎を伸ばす方法についてお伝えしていく予定です。

※1)コーチングとは人材開発の技法のひとつですが、スポーツにおけるコーチと選手の関係を思い浮かべるとわかりやすいと思います。この関係は、スポーツの世界に限らず、会社組織では、コーチが上司、選手が部下。学校では、コーチが先生、選手が生徒。そして家庭では、コーチが親、選手が子どもとなります。家庭におけるコーチングとは、親がコーチとなって、選手である子どもに対し、コミュニケーションの技術を使い、やる気を高め、能力を伸ばしていくことです。

佐々木元昭
大手出版社にてプランナー、クリエイティブ・ディレクターを担当。退職後、次代のクリエイターを育てるべく、コーチングの技術を学び「財団法人生涯学習開発財団認定コーチ」を資格取得。また日本で初めて家庭教育を学問化した八洲(やしま)学園大学に入学、生涯学習学部家庭教育課程専攻。卒業と同時に日本家庭教育学会「家庭教育アドバイザー」を資格取得。現在は、若手クリエイターを育てながら、そのノウハウを活かして、家庭で子どもの創造性や発想を伸ばすためのアイデアを思案中。

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