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子どもの脳力を伸ばすコーチング術

五月病からいち早く抜け出そう!
<付箋を使って時間管理を学ぶ>【Vol.8】

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エピソード8
午後7時まで帰れなくなったお母さんから、3つの用事を頼まれた小学校5年生のムダオ君とトクオ君。 二人とも、最近パソコンゲームに夢中です。
◆お母さんが頼んだ3つの用事
  1. 午後7時までにお風呂を沸かしておくこと(お風呂が沸くのに約40分かかります)。
  2. お母さんの好きなドラマをDVDレコーダーに予約しておくこと(録画予約できる状態まで約2分かかります)。
  3. 部活で汚れた服を洗濯しておくこと。

(1)ムダオ君の例
【午後6時】
帰宅したムダオ君。帰る早々、パソコンの電源を入れます。ゲームができるまでもう待ちきれず、画面を見続けます(ゲームができる状態になるまで約3分かかります)。そして、ゲーム開始。でもいつものようにゲームをクリアできません。自己ギネスには、ほど遠い様子。やはりお母さんから頼まれた用事が気になっているでしょうか。
【午後6時30分】
さすがにまずいと思ったのか、6時半頃、お風呂を沸かしに行きます。そして、次にDVDレコーダーの電源を入れて、ついでにTVの電源も入れてしまったため、予約ができるまで、テレビをながめてしまいます。そして録画予約を終了します。
【午後6時50分】
お母さんからの用事を思い出し、洗濯を忘れていることに気づきます。洗濯機に部活の服を入れたところで、お母さんが帰ってきます。
【午後7時】
お母さんに「お風呂は沸いてる?」と聞かれたムダオ君。「今、沸かしているよ」と答えます。お母さんは「午後7時まで沸かしておいてって、頼んだじゃないの?」「ごめんなさい。ゲームをしてしまって・・・・」とムダオ君。

(2)トクオ君の例
【午後6時】
帰宅したトクオ君。帰る早々、パソコンの電源を入れます。ムダオ君同様に、ゲームをしてしまうのでしょうか。トクオ君は、ここからの動きがムダオ君と違いました。部活の服を持って、すぐに立ち上がり、隣の部屋のDVDレコーダーの電源を入れます。そして、お風呂場へ移動。洗濯機に服を入れて、スイッチオン。お風呂もスイッチオン。もうDVDレコーダーは、予約できる状態になっています。テレビの電源を入れ、録画予約を終了。そして、パソコンの前へ移動します。
【午後6時10分】
パソコンは、すでにゲームができる状態になっています。楽しみにしていたゲームを開始します。いつにも増して、集中力が高まっているのか、自己ギネスを更新していきます。
【午後6時40分】
「お風呂が沸きました」という音が流れますが、トクオ君は、気づかない様子。
【午後7時】
お母さんが帰宅しますが、トクオ君が頼まれていた3つの用事は、すべて完了していました。

五月病からいち早く抜け出そう

 長かったGWがやっと終わりました。子どもたちは、いつものように学校へ行きますが、心身ともに緩んでいる様子が見た目にも明らかです。これは、大人も変わりませんね。五月病という言葉がありますが、5月には、必然があります。約一ヶ月前は、新学年・新生活の始まりです。新しい環境への期待や不安が、心身を張り詰めた状態にしていました。そこへ、大型連休のGWがやってきます。張り詰めた状態が、一気に緩むのですから、子どもも大人も、体はだるく、心がいまひとつ締まらないというのは、致し方ありません。

 エピソード8に登場しているムダオ君とトクオ君。ムダオ君にとても共感している方も多いのでは?私もムダオ君のように過ごす時がよくあります(笑)。今号では、五月病からいち早く抜け出すために、エピソード5に続いて、子どもでもできる時間管理術についてご紹介します。

時間を生み出す?奪う?電化製品の数々

 エピソード8では、様々な電化製品が登場します。パソコン、DVDレコーダー、洗濯機、湯沸かし器などなど。もうすでにお気づきの方も多いと思いますが、スイッチを入れるだけで、勝手に動いてくれるものばかりです。ただし、その中には使える状態になるまで、待たされるものも多いですね。パソコンで約3分。DVDレコーダーで、約2分。お風呂の湯沸かし器で約40分です。お風呂が沸くまで、お風呂の前でずっと待っている人はいないでしょうが、ムダオ君のように、パソコンやDVDレコーダーの前で待っている人は多いのでは?それも「早く立ち上がれ」と少しイライラしながら待っている人も多いでしょう。
  ムダオ君は、電化製品に時間を少しずつ奪われていると言えますし、逆にトクオ君は、機械に任せて、その時間を他に使っていると言えます。日々の生活の中で、順番を変えるだけで、時間が生み出されるケースは、いくつもあります。そこを意識することで、生活に心地よい緊張感が生み出されます。では、どうすれば、その意識を子どもたちに持たせることができるでしょうか。

付箋を使って時間管理を学ぼう!

 まずは、付箋を用意してください。そこにエピソード8の3つの用事を一枚一枚、別々に書きます。

  1. お風呂を沸かす
  2. 録画予約をする
  3. 洗濯をする

 さらに、子どもたちがしたいこと、やらなければいけないことを書きます。

  1. パソコンゲームをする
  2. 宿題をする

 などです。次に、やる順番を子どもに考えてもらい、その順番に付箋を並べ替えてもらいます。やることをすべて書き出すことで、漏れがないかの不安がなくなり、集中力が増します(一覧化)。最後に、どうしてその順番にしたのかの理由を説明してもらいます(言語化)。ここが大変重要です。仮にトクオ君のような行動をとったとしても、その理由を説明できなければ、感覚的であったり、たまたまそうなったことにしかなりません。次に同じ行動をとれない可能性があるのです。
 「だって、ゲームができるまで時間がかかるから、他のことをしようと思ったんだ」「スイッチを押したら、お風呂が沸くから」などの理由を聞きます。的を得た答えが返ってこなくても心配しないでください。考えること、そしてその考えを言葉で説明することで、思考と行動が同時に動くようになります。「あの時は、こう思ってやったんだよなぁ。この前と違うから、こうしてみよう」「こっちを先にやったら、ゲームの時間が増えるかなぁ」。そして、会話の中で「パソコンの前で、じっとしていてももったいないね」「お風呂と洗濯機は、すぐそばにあるよね」などのヒントを与えてみてはいかがでしょうか。
 やらなくてはいけないことを一覧化したり時間を意識することで、行動に活気がでてきます。そして、少しずつ活気を取り戻すことで、生活にリズムが生まれ五月病からいち早く抜け出すことができます。
 まずは子どもたちに、やらなくてはいけないことを付箋に書いてもらうことから始めてみてはいかがでしょうか。

佐々木元昭
大手出版社にてプランナー、クリエイティブ・ディレクターを担当。退職後、次代のクリエイターを育てるべく、コーチングの技術を学び「財団法人生涯学習開発財団認定コーチ」を資格取得。また日本で初めて家庭教育を学問化した八洲(やしま)学園大学に入学、生涯学習学部家庭教育課程専攻。卒業と同時に日本家庭教育学会「家庭教育アドバイザー」を資格取得。現在は、若手クリエイターを育てながら、そのノウハウを活かして、家庭で子どもの創造性や発想を伸ばすためのアイデアを思案中。

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