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「アメリカの親たちが我が子に話してほしい言葉は?」

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 「子どもの成長は嬉しいけれど、近ごろ我が子の口から出るのは英語ばかり。自分の子どもと日本語でコミュニケーションできないなんて悲しすぎるわ・・」と嘆くのは、ご近所に住む日本人ママ。
彼女は7年前にアメリカ人のご主人と結婚し渡米、「大嫌いな」英語と格闘しつつアメリカで暮らし始めました。3年前に長男が誕生、我が子とは日本語で会話がしたいと一生懸命日本語で話しかけてきたものの、成長するにつれ彼がしゃべる言葉はもっぱら英語になりこちらが日本語でしゃべりかけるといやそうな顔をしたり知らん顔されたりしてそのたびに落ち込んだそうです。

 前回でもお話しましたが、ここカリフォルニアは移民の特に多い州。彼女のように親と子がまったく違う言葉を母国語としてしゃべることは珍しくありません。我が子にどうしても母国語を学ばせたい親たちは、語学学校に通わせるなどの並々ならぬ努力をしています。アメリカで産まれ育ったある日本人のお嬢さんの場合、彼女は毎週土曜日にサンフランシスコの日本語補習校に通い、5月末にアメリカが夏休みに入ると即日本に渡り日本が夏休みに入るまでの約2ヶ月間を日本で過ごし、中学時代は一人日本で寮生学校に入り、そうしてやっと完璧なバイリンガルになったそうです。ここまでするかどうかは各家庭の方針や経済事情にもよりますが、「我が子に自分と同じ言語をしゃべってほしい」という想いはアメリカに住む移民の親たちに共通するもの。日本で生活しているときには考えたことも想像したこともありませんでした。みなさんもきっとそうですよね?

同じ国の出身者同士で子供達に母国語を教える“青空教室”。母国の言語や文化を忘れないでほしいという思いがこめられています。

 さて、方や日本では幼少期の英語教育が一段と熱を帯びている様子。赤ちゃんのころから英語教育を始めさせる人もいると聞きます。「日本語をしゃべってほしい」母もいれば「英語をしゃべってほしい」母もいる。どちらも真剣なだけにこの対比はとても皮肉だと思いませんか?ではどうして、日本の親はそんなに英語教育に必死なのでしょうか?

 振り返ると、私たちの年代が学校で習った英語は言葉というよりも“勉強科目”でした。その結果「10年も勉強したのにしゃべれない」コンプレックスを抱えることになった年代(私たち)が、自分の子どもにだけはそんな思いをしてほしくない、自分と同じ時期に英語を始めたのでは遅れをとってしまうと焦っているのではないかと、日本で子どもたちに英語の個人レッスンをしている友人が話してくれました。しかし英語はゴールではなくあくまでひとつの手段。大切なのは、ひとりでも多くの人たちと心を伝え合えるこの手段を通して、将来どこへ行って誰と接しても“ビビらないコミュニケーション力”(根性)を身につけることではないかと、外国で生活をするようになってつくづく感じます。

 公園で人種の別なく遊んでいる子どもたちを見ていると、彼らはすでにこの術を知っていることに驚き感心します。身構えてしまっていたのはむしろ親たちのほう。これからは親が昔の恨み(?)やコンプレックスを忘れて、子どもたちと一緒に楽しむ気持ちで生きた英語を身につけるようにしてみてはどうでしょうか。

バークレーの公園はまるで世界の縮図。子どもも親も小さな国際交流を広げています。

※このコーナーでは、アメリカ(主にカリフォルニア中心) の身近な子育てや教育事情をレポートしていく予定です。今後取り上げてほしいテーマやご意見などがありましたら、どしどしお寄せください。

長野尚子(ながのしょうこ)さん
長野尚子(ながのしょうこ)
カリフォルニア州バークレー市在住。フリーライター。
2001 年、大手出版社のディレクターを退職後、単身アメリカへ留学。その後雑誌の編集者を経て、結婚を機に2006 年3月より再び渡米。主に教育・子育て、文化交流をテーマに人脈を広げながら執筆活動中。3年間の留学生活を綴った「たのもう、アメリカ。 」(近代文芸社)発売中。

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