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シカゴ発・アメリカ郊外生活

大人も子どもも一緒に楽しむ、地域主催のファミリーFUNイベント【vol.2】

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短い夏だからこそめいっぱい楽しむ、シカゴ流。

 家々の玄関にハロウィーンデコレーションが灯り始めると、シカゴはもうすっかり秋、いや秋を通り越して冬の気配すら漂い始めます。10月というのに、先日はなんと雪までちらつきました。
 シカゴには四季ならぬ“五季”がある、と言われます。春、夏、秋、冬、そして極寒の冬。マイナス20℃にもなる冬の間は、おちおち外を歩くこともままなりません。だからこそ、冬が明けたときの喜びはひとしお。6月になると各地で毎週のように様々なイベントが行われ、人々は外に飛び出して短い夏を謳歌します。
 今回は、そんな数々のイベントの中から私が今年実際に体験した、地域が一体となった面白い催しをご紹介したいと思います。

地元の情報なら全て揃う。図書館は住民同士がつながれる場所

地元のミュージシャンを招いての図書館でのミニコンサート

 前回“Park District(パーク・ディストリクト)”という機関のお話をしましたが、このPDと並んでもうひとつ地域に欠かせないのが“Public Library District(PLB)”、いわゆる図書館の存在です。図書館は、本やビデオの貸し出しだけでなく、住民のための様々なイベントを企画・開催しています。たとえば、本の朗読会や作家を招いてのレクチャー、課題図書を読んで感想を語り合う“ブック・ディスカッション”、ミニ音楽会、赤ちゃん交流会、小学生向けの宿題ヘルプデスク・・・など、思わず出かけたくなる催しがいっぱい。普段、ご近所さん以外となかなか付き合いの輪を広げる機会の少ない主婦やお年寄りにとって、図書館主催のイベントは気軽に参加できる地域の社交場として活用され親しまれています。

親が楽しいから子どもうれしい。本物はウソをつかない。

図書館横で行われたアカペラロックの“Ac●Rock”のライブに子どもたちは大興奮(6/11 Warrenville にて /courtesy of Ac●Rock)

アメリカのお父さんは子どもたちと本当によく遊ぶ

 特に、夏休み期間中にはファミリー向けの催しが毎週のように開かれました。中でも人気だったのが、図書館横の広場で開かれた6週間連続の「サマー・コンサート・シリーズ」。これは、様々なジャンルの音楽をコンサートを通じて子どもたちに親しんでもらおうというもので、子どもはもちろんのこと親たちにも大好評でした。
 ちなみに、第1週目の出演は“Ac●Rock”という男性4人組のアカペラ・ロックグループ。プレスリーからボブ・マーレィーやジプシー・キングスまで、古きよき名曲の数々を素晴らしいアカペラで聴かせてくれる本格派、トークも絶妙で子どもたちをあっという間に歌の世界に引き込んでいきます。ふと気づけば、私も我を忘れて歌っていました。
 その後、このシリーズはアメリカン・オールドロック、カントリー、Jazz、フォークと続いていったのですが、近所の住民たちも皆この夏の夕方のひとときを楽しみに集まってくるのでした。

 日本では、ファミリー向けイベントというと“大人が子どもに付き合って”出かけるもの、内容も子ども向けになりがちですが、アメリカでは子どもだましは全くナシ。普段は大人のパーティーに呼ばれるようなレベルの高いミュージシャンが真剣に演奏してくれるので、まず大人が満足できます。そして、子どもたちは本物の演奏を聴きながらごく自然にグルーブ感を身に付けていくのです。アメリカの子どもたちがいろいろなジャンルの音楽を広く知っているのも、こういった小さい頃からの体験がものをいっているのだとつくづく感じます。
 子どもが思いっきりエネルギーを発散できる場所や機会を地域が提供し、そこでご近所同士がさらにつながりを密にする、結果としてコミュニティ全体で子どもたちを守るネットワークを作る―小さな町のファミリー向けイベントには、このような意味合いもこめられています。

家族が一日楽しめる“夏祭り”「カウンティ・フェア」

羊ややぎ、ウサギなど小さな命と触れ合える“ペティング・ズー”

 8月になると州内のあちこちで「カウンティ・フェア」と呼ばれる郡主催のお祭りが開かれます。日本で言うなら夏祭りのようなものでしょうか。このフェアのお楽しみは、家族全員が日がな一日のんびりと楽しめる多彩な催し物です。
 「Demolition Derby(デモ・ダービー)」と呼ばれる車の"泥相撲大会"、犬のジャンプ大会、乗り物やゲームがいっぱいの「移動遊園地」やミニ・サーカス、地元の農家が飼育する羊やウサギなどの動物たちと直に触れ合える「Petting Zoo(ペティング・ズー)」コーナー、産地直売市コーナーなどがあり、夏休みに入ってエネルギーのあり余った子どもたちが、家族と一緒にのびのびと過ごすにはもってこい。

子どもを本物のアートの世界にいざなうアート・フェアやJazz祭り

アーティストの実演を間近で楽しめるアート・フェア。

 同じく夏の週末によく見かけるのが、コミュニティースペースを利用した“青空アート・フェア”。州内外から集まった個性豊かなアーティストがブースを連ね、自作のアートの展示・即売を行います。
 このアート・フェアのいいところは、何と言ってもお手軽さ。普段アートに興味があってもなかなか鑑賞する機会はありませんが、ここでなら気軽に子連れで作品を見て回れるし、好きな作品のアーティストと直接お話ししたり値段交渉したりすることもできます。

 また、このようなフェアには必ずといっていいほど子どもたちのためのミニ・アート教室(テント)が設けられています。3〜4才児には石ころペインティング、小学生にはステンドグラス教室といったように、年齢に応じて内容もいろいろ。子どもたちも夢中になってアートを楽しめます。

子どもたちも手作りアートに夢中

 

地元の商店街がコンサート会場に早替わり(Jazzコンサートにて)こちらではワインの販売もあり。

 今回ご紹介したイベントは、一部のカウンティ・フェアを除いてすべて無料。中心になって動いているのは、主に地元のボランティアたち。行政や企業の助けを得ながらも自分たちの街は自分たちの手で盛りたてていく、という住民の強い気概と団結力をひしひしと感じます。
 大人だけ、子どもだけという区別なく、親子ともども満足できるのがアメリカ流。大人と同等に楽しみながら、子どもたちも地域のルールをわきまえていくわけです。このような環境で育った子どもたちが成長し、自分たちが経験した同じホスピタリティーをその子どもたちに注ぎつないでいく・・・イベントひとつをとっても、このような地域ホスピタリティーを見て取ることができるのです。

次回予告

次回は、「ハロウィーン、感謝祭、クリスマスと続く、アメリカのメインイベントと地域コミュニティ」についてお届けします。どうぞお楽しみに!

長野尚子(ながのしょうこ)さん
長野尚子(ながのしょうこ)
アメリカ在住フリーライター。2001年、大手出版社のディレクターを退職後、単身アメリカへ留学。その後帰国し子育て関連誌の編集者を経て、結婚を機に2006年3月より再びカリフォルニア州バークレー市へ。主に教育・子育て、国際文化交流をテーマに人脈を広げながら執筆活動中。2007年10月よりシカゴ郊外に移る。3年間の留学生活を綴った「たのもう、アメリカ。 」(近代文芸社)発売中。

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