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アメリカの新学期

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 日本では、多少の違いはあれほとんどの公立学校は同じような年間スケジュールで動きますが、アメリカでは日本のように統一された年中行事カレンダーがなく州や地域、学校によってまちまちです。例えば、ここバークレー市と、お隣のサンフランシスコ市やオークランド市では行事の内容やスケジュールは全く違います。ここではサンフランシスコ市の例をご紹介することにします。

キンダーガーテン(幼稚園)の授業風景。体をいっぱいにつかいながら楽しく蝶の成長を学んでいます。

 まず、新学期は8月末(※他の地区ではLabor Day Holidayのあと、9月第1週)にスタートします。新学期といえば、真新しいランドセルや名前の入った筆記用具、体操服や靴・・・などなど、買い揃えなければならないものがまず頭に浮かびますよね?
でも、アメリカでは公立の場合、かばん以外は基本的に何も用意するものはなし。教科書もノート、筆記用具も全部学校から支給されます。(私立校の場合は制服の購入や、dress codeといって決められた範囲での服装規定が義務付けられます。)学校から支給される教科書にはused(中古)のものも多く、中にはold edition(内容の古いもの)もあるといいますから何でもピカピカに新調する日本ではとうてい考えられませんね。

 学校には通常cafeteriaがあり、ここが昼食の場となります。Low-income(低収入家庭)の子どもたちにはランチが無料で支給され、それ以外はランチを購入するか持参したお弁当をcafeteriaで食べます。日本のように教室でみんな一斉に昼食をとるということはありません。
余談ですが、日本人の母親は子どもが喜びそうなお弁当を持たせるのでそれが他の子どもたちのやっかみの対象となり“お弁当いじめ”の洗礼を受けることがあるそうです。この“お弁当いじめ”、日本人の間では有名で「子どものお弁当を(他の子と差がでないように)サンドイッチに変えた」という笑えない話もあるほどです。

 さて一方、新学期になると親たちがまず始めるのは「資金集め」。前述のように公立校では筆記用具や備品はすべて学校支給となるため、親たちは地域のスーパーや銀行などを回って「あなたの地域の○○小学校の子供たちのよりよい教育のために」といって学校のために募金活動を始めます(もちろんこれあくまでボランティアであり、参加しない親もいます)。
企業側にとってもこのような“donation(寄付)”は地元貢献になるうえ経費として認められ節税にもなるので一石二鳥。こうして集められた資金は、備品購入のほか低所得家庭の子どもたちの教育費にもあてられます。先生はというと、学期の初めに“Wish List”なる「こんなもの欲しいな」リストを作成しておくのだそうです。ところ変わればしくみも変わる。いかにも合理的なアメリカらしいシステムだと思いませんか?

スクールバスのなかはエネルギーのかたまり。いつもにぎやかです。

※このコーナーでは、アメリカ(主にカリフォルニア中心) の身近な子育てや教育事情をレポートしていく予定です。今後取り上げてほしいテーマやご意見などがありましたら、どしどしお寄せください。

長野尚子(ながのしょうこ)さん
長野尚子(ながのしょうこ)
アメリカ在住フリーライター。2001年、大手出版社のディレクターを退職後、単身アメリカへ留学。その後帰国し子育て関連誌の編集者を経て、結婚を機に2006年3月より再びカリフォルニア州バークレー市へ。主に教育・子育て、国際文化交流をテーマに人脈を広げながら執筆活動中。2007年10月よりシカゴ郊外に移る。3年間の留学生活を綴った「たのもう、アメリカ。 」(近代文芸社)発売中。

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