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Vol.6 今、郷土玩具を楽しむということ

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日本各地で出会える、地元産のおもちゃには、「郷土の心」が込められていました。

 食べものと同じように、おもちゃにも「地元産」があります。こま犬や張り子、だるまなど全国の民芸品店で時々見かける郷土玩具です。郷土玩具は、いわば郷土料理のようなもの。元々は、その土地で手に入れやすい材料で作られ、その土地の暮らしに根付いてきました。素朴で味わいある郷土玩具は、ゲームや無機質なおもちゃが溢れる今だからこそ、新鮮に感じ、ひかれるのかもしれません。作り手はどんな思いを込めて形にしているのでしょうか。沖縄県の、ある郷土玩具作家さんを訪ねてみました。

 沖縄でも数少ない琉球玩具作家のひとり、豊永盛人さんのギャラリーは、首里城のほど近くにあります。奥の工房では、手の平サイズのかわいい琉球張り子たちが、色をぬられるのを行儀よく並んで待っています。

「琉球張り子は、もともと年に一度のユッカヌヒー(旧暦5月4日)のお祭りで売られていました。子どもたちは、その日にだけおもちゃを買ってもらえたそうです。おもちゃは、お祭りのあるところで発展してきたもので、子どもにとっては特別な存在だったんですね」と豊永さん。琉球張り子は、子どもたちの健康を願う縁起物として、ほかの伝統玩具と並び大人気だったそうです。

 豊永さんのギャラリーには、チンチン馬グァーやウッチリクブサー(起き上がり小法師)、獅子などの伝統的なモチーフの張り子から、プロレスラーやおにぎりなど、ユニークな創作張り子まで、賑やかにそろいます。

「郷土玩具は古いものと思われていますが、世に広まった当時は最先端のおもちゃだったはずで、みんな感動していたと思うんですよね。ですから私は、今、新しいと思えるデザインを手掛けることを大切にしています。沖縄らしさは、この土地で創っている以上、自然に表れていると思います。」

 ゲームやテレビがない時代に作られていた郷土玩具は、たくさんのことを語りかけてきます。大人の願い、子どもの夢、その土地の気候風土や歴史、昔の知恵や暮らしぶり…加えて今では、愛嬌たっぷりで風合いある郷土玩具に、ほっとさせられるような魅力も感じられます。旅先でお土産に買って、飾ったり遊んだりと楽しみながら、郷土玩具に秘められた物語を想像してみる。そんな楽しみ方をすれば、旅の思い出も、おもちゃへの愛着も、いっそう深くなるかもしれません。

木彫りやかるたなども販売する豊永さんのお店「Road Works」のホームページはこちら
http://toy-roadworks.com/news/

井上麻友美(いのうえまゆみ)

おもちゃコンサルタント、おもちゃライター。おもちゃ図書館などで、手づくりおもちゃや遊びのワークショップを企画し、地域の子育て支援にも参加している。


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